今回はちゃそがゴリゴリにおすすめする「レシピプラス」の中から
「よく出る漢方薬ABC」についての紹介記事です!
「薬学の専門書は高い」というイメージを持たれがちですが、このレシピプラスは1200円+税とめちゃくちゃコスパが良いです。
なので高い専門書にはなかなか手が出しづらい方にもおすすめできます。
年に4回(1、4、7、10月)発刊されるので定期購読しても良し、気になる号だけ買うも良しです。
薬剤師のみならず、薬学生にも読みやすい内容になっているかと思います。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので気になった方は見てみて下さいね👇
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【超おすすめ】現場の薬剤師がおすすめする書籍「レシピプラス」のバックナンバー!
個人的にゴリゴリにおすすめする「レシピプラス」の紹介記事。1200円+税のお手頃価格でありながらめちゃくちゃ勉強になりますのでもはや定期購読をおすすめするレベル!
この記事を読んでわかること
- レシピプラス よく出る漢方薬ABCについて
- よく出る漢方薬ABCがおすすめの方とおすすめできない方
- ちゃその本書のおすすめポイント
では、見ていきましょう👀
この記事のもくじ
レシピプラス よく出る漢方薬ABCとは
出版社 : 南山堂
発売日 : 2017/4/14
言語 : 日本語
単行本 : 110ページ
今回は臨床上繁用される「よく出る漢方薬」について,使い方を身に付け,処方解析につなげ,患者さん個々に合わせた服薬指導ができるように構成.また,「漢方薬と患者さんの困っている症状」を視覚的に把握できる図と同種漢方薬の使い分けの例示があり,より漢方薬の特徴が理解しやすいでしょう.漢方薬の入門・初心者におすすめの1冊.
※Amazonより引用
発売日が2017年と少し古いように感じますが、漢方の基礎の部分を学ぶのにはぴったりです。
内容
目次は以下の通りになっております。
漢方薬の導入としてはバッチリな本かと思います。
作用ごとに漢方薬を見ていく部分では、ピックアップされたよく使われる漢方薬15種類ほどが、1つ1つ解説されているので、ご自身の現場でよく出る漢方から目を通しておいても良いかもしれません。
おすすめできる人・そうでない人
本書がおすすめできる人・そうでない人をざっくり表にまとめてみました。
参考にしてみて下さい。
こんな方にはおすすめ
- 漢方の基礎の部分から学びたい方
- 自分の漢方の知識に自身がない方
- もっと服薬指導で何か伝えられないかなと悩んでいる方
- 新人薬剤師や休職中の方
こんな方にはおすすめできない
- 漢方の基礎が身に付いている方
- 日常の漢方薬の服薬指導で困っていることや不安なことが特にない方
忘れないでいただきたいのは、漢方の基礎・入りの部分を学ぶのにはもってこいという事です。
もう基礎が充分身についている方には物足りないものになると思うので、おすすめはしません。
よく出る漢方薬ABC ちゃそのおすすめポイント

ここからは実際に読んだちゃそがおすすめできるポイントを紹介していきます。
患者さんから服薬指導時に聞かれそうな漢方薬への疑問、悩みが解消できる
患者さん目線での漢方薬に対する悩みや疑問が学べるところがおすすめです。
薬剤師の目線からだとなかなか気づかないような悩みや疑問もあります。
もちろん本書に載っている疑問が全てではありませんが、知っているのと知らないのとでは違いは大きいかなと思います。
構造式から考える部分があるので、医薬品化学の面からも学ぶ事ができる
甘草の含まれる漢方薬でおなじみの「偽アルドステロン症」。
グリチルリチン・グリチルレチン酸、コルチゾール・コルチゾンの骨格や化学構造を比較しながら「偽アルドステロン症」について学んでいけます。
また、麻黄でおなじみの「エフェドリン」の構造から、漢方薬が食前・食間服用であることのメリットも学べます。
薬学部で化学を学んできた身からすると、こういうところで
「あ、薬剤師になってからも大学時代に学んだこと生かされているなあ」
と感じますね🤣
よく出る主流の漢方薬が1つ1つ解説されていて理解が深まる。
その漢方薬はどんな漢方薬か?
同効漢方薬の使い分けは症状・体質によってどうなっているのか?
処方例は?
この辺りが学べます。
この辺りの知識を持っておくと、
「お、この漢方薬は〇〇の症状で出ているのかな?」
「こういった体質をお持ちの方なのかな?」
とある程度予測を立てて服薬指導に行けるので慌てなくて済みます。
まとめ
いかがでしたか?
今回はレシピプラス「よく出る漢方薬ABC」のレビュー・紹介記事でした。
漢方薬の基礎の部分を学びたい方にはゴリゴリにおすすめできる1冊です。
「中身がどんな感じなのか気になる」
「購入しようか迷っているけどいまいち踏み出せない」
という方の助けになる記事になっていれば幸いです。
ではでは今日はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました😆
漢方薬の使い方のキホン
1.入門! 実践的漢方薬服薬指導
・問診だけでも漢方薬は選択できる
2.漢方薬のイメージを変える5つの習慣
・第1の習慣:漢方薬で病気を治療するイメージを掴む
・第2の習慣:急性期の症状に使う漢方薬を知る
・第3の習慣:きめ細かな服薬指導を実践する
・第4の習慣:漢方薬へのよくある不満・疑問に答える準備をする
Q1 のんだらかえって調子が悪くなりました.のむのをやめたほうがよいですか?
Q2 のんでも効いている感じがしない漢方薬は変更したほうがよいですか?
Q3 まずくてのめないです.どうしたらよいでしょうか?
Q4 吐き気があってのめません.よい方法はありますか?
Q5 エキス剤が苦手です.どうしたらよいでしょうか?
Q6 お昼の分をよくのみ忘れます.どうしたらよいでしょうか?
Q7 食後3回服用の薬もあるのですが,服用回数を減らせませんか?
Q8 子どもにのませることはできますか?
Q9 妊娠を考えている場合,妊娠・授乳中でも漢方薬はのめますか?
Q10 服薬する水でお腹がいっぱいになってしまいます.よい方法はありますか?
Q11 漢方薬は効きが遅いですか?
Q12 いつまでのみ続ければよいですか?
・第5の習慣:次の来局につながる“声かけ”をする
3.くすりのかたち〜偽アルドステロン症〜
・グリチルリチンの消化管吸収
・グリチルレチン酸≒ステロイド?
・偽アルドステロン症にはコルチゾールが関わっている!
・構造の大きい・小さいを比べてみよう
漢方薬を“みえる化”して「使える武器」にする
・漢方薬を作用で整理する
・体力を回復する「補剤」:補中益気湯・六君子湯、十全大補湯
・微小循環障害治療薬「駆お血剤」:当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸
・水分調整薬「利水剤」:五苓散、猪苓湯
・その他の知っておくと得する薬:抑肝散、桂枝加竜骨牡蛎湯、半夏瀉心湯、葛根湯、牛車腎気丸、麦門冬湯、大建中湯
処方例から学ぶ! 漢方処方の意図をひも解くロジック
case1 慢性膀胱炎の60代女性
case2 慢性頭痛,肩凝りが治らない30代女性
コラム
・漢方薬に含まれる有効成分の形“配糖体”
・救急室で使用できる漢方薬
・構造式から考える漢方薬の用法
・足し算の医療と引き算の医療
・食前,食間になじめない日本人向けに
・高齢者の安全な漢方処方について
・漢方薬を増やすか,減らすか,変更か?
・甘草と偽アルドステロン症