今回はとある日に見た「ノベルジン」の添付文書での用法の違いは気になったので調べてまとめてみました。
この記事を読んでわかること
- ノベルジンとはなんたるや
- 適応によって用法が違う理由
ではではみていきましょう!
ノベルジンとは
ノベルジンの一般名は「酢酸亜鉛水和物」です。
薬価収載は2014年11月、販売開始は2015年2月となっています。
適応、用法用量は以下の通りです。
ウィルソン病(肝レンズ核変性症)では
成人:1回50mgを1日3回経口投与(年齢、症状で適宜増減)
最大投与量は1日250mg(1回50mgを1日5回投与)
6歳以上の小児:1回25mgを1日3回経口投与
1歳以上6歳未満の小児:1回25mgを1日2回経口投与
なお、いずれの場合も、食前1時間以上又は食後2時間以上空けて投与すること
低亜鉛血症)食事等による亜鉛摂取で十分な効果が期待できない患者に使用する)では
成人及び30kg以上の小児:1回25−50mgを開始用量とし1日2回経口投与
最大投与量は1日150mg
30kg未満の小児:1回25mgを開始用量とし1日1回経口投与
最大投与量は1日75mg
なお、血清亜鉛濃度、患者の状態により適宜増減
いずれの場合も、食後に投与すること
ここでみなさん、お気づきでしょうか?
2つの適応を見比べると
用法が違う???
「これはどういうことなんだ?」と初めて添付文書を見た時に頭の中が???とはてなマークでいっぱいになりました。
ということでこの謎を解決するために調べました。
用法の違いの理由
ということで、調べてみた結果、ノベルジンのインタビューフォームに載っていました‼︎
見てみると、ウィルソン病では副作用のリスクよりも亜鉛の吸収が落ちることの方が問題であるから、「空腹時」に投与し、低亜鉛血症では消化器系の副作用を減らすために「食後」投与としているというわけでした。
同じ薬でも適応によって用法が違うなんてこともあるんだなあと学びになりました。
亜鉛の含まれた薬がもう1つ、、、
プロマックD錠(ポラプレジンク)という薬も亜鉛を含有していますが、こちらの適応は「胃潰瘍」のみとなっていて低亜鉛血症には適応外となっています。
しかしノベルジンはお高めな薬なので、低亜鉛血症に安価なプロマックが適応が胃処方されるケースもあるそうです。
まとめ
・ノベルジンはウィルソン病では食前1時間以上または食後2時間以上開けて服用、低亜鉛血症では食後服用
・ウィルソン病では副作用のリスクより、食事の影響で吸収が下がることを懸念したため、低亜鉛血症では消化器症状の副作用を減らすために用法をそれぞれ設定している。
・プロマックは適応は胃潰瘍にしかないため亜鉛欠乏の味覚障害等に使われる場合は適応外処方となる。
・ノベルジンはお高めだが、プロマックは安価
と今日はこんな感じです‼︎
勉強すればするほど疑問しか湧いてこない、、、
薬学も沼ですねw
ではでは今日はこの辺で😆
最後までお読みいただきありがとうございました。