今回は「オンライン診療に伴う緊急避妊薬の研修」を受けてきたまとめと感想を書いていきます。
この記事を読んでわかること
- オンライン診療に基づく緊急避妊薬の調剤を行ううえで、薬剤師が知っておくべきこと
- 緊急避妊薬の特徴
ではではさっそく見ていきましょう!
ちゃそが学んだ事まとめ
オンライン診療について
オンライン診療の定義とは、
「遠隔医療のうち、医師−患者間において、情報通信機器を通して、患者の診察及び診断を行い、診断の結果の伝達や処方等の診療行為をリアルタイムで行う行為」
となっています。
オンライン診療では、「初診は直接の対面が原則」となっていますが、例外が許容されるものが以下の2つです。
- 禁煙外来
- 緊急避妊薬
緊急避妊薬についても対面診療が推奨されるが、地理的要因がある場合、性犯罪被害を含め女性の心理状態等に応じて対面診療が困難であると判断した場合は、産婦人科医会または厚生労働大臣が指定する研修を受講した医師が、初診からオンライン診療を行うことが可能である、とされています。
オンライン診療による緊急避妊薬の調剤を行えるのも研修を受講して薬剤師のみですが、オンライン診療を行えるのも研修を受けた医師のみというのがポイントですね!
また、オンライン診療を行う医師は1錠のみ院外処方を行う。というのも注意点です。
オンライン診療に係る緊急避妊薬の調剤を行う上で薬剤師が知っておくべきこと
「オンライン診療における緊急避妊薬の調剤が対応可能な薬剤師及び薬局の一覧」は以下のリンクの厚生労働省のHPに順次掲載されます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/kinnkyuuhininnyaku.html
オンライン診療を受診した患者さんは、対応可能な薬局の中から受け取る薬局をえらび、処方医から薬局に対応の可否を確認した上で処方箋情報・患者情報が薬局に送られます。
患者さんが来局された場合は本人確認を行い、調剤及び服薬指導を行います。
服薬指導において特に重要視されていたのは以下の点でした。
- 服用後の注意
- 3週間後の受診勧奨
- より確実な避妊法の説明
そしてもう1つ重要視されていたのは
「薬剤師の面前で服用させること」
でした。
これは研修中に何回も言われていました。
悪用されることをよほど懸念しているのだなと感じましたね。
そして患者の服用が確認できたら、患者さんに情報提供文書を渡します。
患者さんが薬局から帰られたら、処方医への服薬情報提供書を用いた情報提供を行います。
ここまで大まかな流れや覚えておくべきことを書いてきましたが、各ポイントにもさらに詳細な注意事項がありますのでここに書いたことが全てではないのでご注意を。
緊急避妊薬について知っておくべきこと
日本で使われている緊急避妊薬は
ノルレボ錠1.5mg(あすか製薬株式会社)
と、そのジェネリックの
レボノルゲストレル錠1.5mg「F」(富士製薬工業株式会社)
となっています。
薬価基準未収載ですので薬局であらかじめ販売価格は決めておく必要があります。
性交後できる限りはやく服用することが大切です。(72時間以内の服用)
性行から緊急避妊薬を服用するまでの時間による妊娠阻止率は
24時間以内で95%
25−48時間以内で85%
49−72時間以内で58%
となっており、はやく服用した方が良いのは一目瞭然ですね。
排卵抑制作用があり、緊急避妊薬の服用で妊娠しなかった場合には、服用後3−7日以内(人によっては2週間後)に出血(月経)が起こると言われています。
禁忌に当たるのは以下の場合です。
- 本剤の成分(黄体ホルモン)に過敏症の既往のある女性
- 重篤な肝障害のある患者
- 妊婦
また、授乳婦に関しては服用は可能ですが、乳汁中に移行するため、「服用後24時間は授乳を避け、その間の母乳は廃棄する」となっています。
代謝はCYP3A4で行われます。
服用後に嘔吐してしまった場合の対応については
・服用後2時間以内に嘔吐した場合は追加投与の可能性もあるので処方医へ連絡
・服用後2時間以降であれば問題ない
とのことでした。
研修を通して感じたこと
今回4時間近くの研修でしたが、産婦人科のDr.のお話を聞くコマもありました。
産婦人科の先生の講義ということで産婦人科領域の復習と知識のアップデートができたように感じました。
緊急避妊薬を調剤するだけなら、正直最後の1時間弱の話だけ聞いてれば良いんだろうけど、個人的には産婦人科Dr.の話がとてもおもしろかったです。
あとは、いろいろ厚生労働省による取り決めもまだまだ仮決定なところがあるのだなと感じました。
せっかく研修を受けて取り扱いのできる薬剤師になったので、しっかりアンテナをはっておこうと思います。
それと実際に緊急避妊薬をもらいにきた患者さんの対応をするときは、同じ女として寄り添えるようになっておかないとなあとも強く感じましたね。
ではでは今日はこの辺で。
最後まで読んでくださりありがとうございました。