今回は漢方薬の五積散(ごしゃくさん)が妊婦さんに処方された話をみていきたいと思います!
先日このようなツイートをしておりました。
✅産婦人科で五積散
— ちゃそ@寝落ち薬剤師ブロガー🐶🐰 (@yakuchaso66) April 6, 2021
/
予定日超過、又は冷えを伴う
妊婦に対する処方
\
・身体を温める
・子宮頸管熟化作用で
子宮口を柔らかくする
↓
いわゆる
「分娩準備」を助ける働きがある。#ちゃそ薬メモ
五積散は個人的なイメージでは、整形外科で処方されることが多いのかなと感じています。
妊婦さんへの処方は今回が初めてだったので、とても勉強になりました。
妊婦へ処方される五積散の処方意図が気になった方は是非続きをご覧ください。
この記事を読んでわかること
- 五積散とはなんたるや
- 産婦人科から妊婦さんに処方された五積散の処方意図
それでは見ていきましょう😆
五積散が妊婦に処方された?
ある日の薬局業務中に、「五積散」単体の書かれた処方箋が来ました。
すごく個人的な話になりますが、ちゃその祖母が整形外科で五積散を処方されていたので、
お?神経痛・腰痛あたりか?
なんて思っていました。
総合病院からの処方箋だったので、診療科を見てみると
「産婦人科」
産婦人科かー。月経痛かな?冷え症かな?
なんて考えていました。
そんな推測を立てながら
いざ服薬指導へ!
患者さんは妊婦さんでした。
とりあえずDr.の処方意図を聞き取るようにお話を伺ってみると患者さんからこんな言葉が、、、
「妊娠39週目なのですが、子宮口も全然開いてなくてまだまだ生まれる気配がないから、生まれやすくなる漢方出しておくねって言われました」
「生まれやすくする漢方!??」
ということで妊婦さんに五積散が処方された理由は後ほどまた詳しく見ていきます。
63 五積散(ごしゃくさん)とは?
五積散は構成生薬が16種類と非常に多いです。
構成生薬16種類は以下の通りです。
ツムラ 五積散の場合
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス4.0gを含有する。
・ソウジュツ:3.0g
・チンピ:2.0g
・トウキ:2.0g
・ハンゲ:2.0g
・ブクリョウ:2.0g
・カンゾウ:1.0g
・キキョウ:1.0g
・キジツ:1.0g
・ケイヒ:1.0g
・コウボク:1.0g
・シャクヤク:1.0g
・ショウキョウ:1.0g
・センキュウ:1.0g
・タイソウ:1.0g
・ビャクシ:1.0g
・マオウ:1.0g
多い!(◎_◎;)
続いて効能効果は以下の通りです。
慢性に経過し、症状の激しくない次の諸症:胃腸炎、腰痛、神経痛、関節痛、月経痛、頭痛、冷え症、更年期障害、感冒
これだけ見た感じだと今回の処方意図は汲み取れないかなと思います。
ちなみに五積散の名前の由来は以下のようになっています。
肝・痰・気・血・食の5つの邪気が体内に積滞する「五積」の証を治療するという意味から付けられた。
五積散が妊婦に処方された意味
以下のサイトからの引用によると、次のように書かれています👇
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=11740
予定日が近づいても冷えがあり,分娩準備ができていない妊婦に使用している。体が温まるとともに,子宮頸管熟化(子宮口が開きやすく分娩の準備ができる)が促進され,緊急帝王切開率の減少や誘発分娩の成功につながっている。
冷えがひどいとなかなか子宮口が柔らかくならないから、まずは冷えを改善して、子宮口を開きやすくしようねって考え方で良いのかなと感じました。
子宮口を開かせるメカニズムというよりは、冷えを改善することが重要といった話のようです。
まとめ
今回はもうすぐ出産という妊婦に五積散が処方されていた話でした。
冷えを改善して子宮口を柔らかくして開きやすくし、出産しやすくしようといったところです。
意外と処方されている妊婦さんも多いようで、調べてみると実際に処方された方の感想ブログやインスタ投稿が見られました。
産婦人科から妊婦さんに処方されていた場合は今回のような例を頭の片隅に思い出していただけたら嬉しいです。
ではでは今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました😆
参考文献
ツムラ 五積散 添付文書