今回は漢方薬の中でもみなさんご存知「葛根湯」について書いていきます!
各記事1つの漢方薬をまとめていきたいなあ。
それでは早速見ていきましょう!
この記事を読んでわかること
- 葛根湯に含まれる生薬
- 葛根湯の適応と適応外の使用法
- 葛根湯の一般用医薬品
葛根湯に含まれる生薬
ツムラの葛根湯(医療用)に含まれる生薬は以下の通りです。
本品7.5g中、下記の割合の混合生薬の乾燥エキス3.75gを含有する。
カッコン:4.0g
ケイヒ:2.0g
タイソウ:3.0g
シャクヤク:2.0g
マオウ:3.0g
ショウキョウ:2.0g
カンゾウ:2.0g
葛根湯は桂枝湯+麻黄+葛根になります。
あるいは
麻黄湯+桂枝湯+葛根−杏仁とも言えます。
ここで気をつけたいのは「麻黄」と「甘草」ですね。
「他の漢方を普段から飲んでいる」とかなら麻黄と甘草の量を気にしてみておくのもありでしょう。
また、上記した物は「ツムラ」のものですが、「クラシエ」のものだとカッコンが8.0g含まれていたり、構成生薬の量は各会社ごとに違いがあるので注意が必要です。
葛根湯の適応
葛根湯の適応(効能効果)は以下の通りです。
自然発汗がなく頭痛、発熱、悪寒、肩こり等を伴う比較的体力のあるものの次の諸症
感冒、鼻風邪、熱性疾患の初期、炎症生疾患(結膜炎、角膜炎、中耳炎、扁桃腺炎、乳腺炎、リンパ腺炎)、肩こり、上半身の神経痛、蕁麻疹
他にも顎関節症や眼精疲労、頭痛に使われたり、腹圧性尿失禁に適応外処方される場合もあるようです。
腹圧性尿失禁への適応外処方については次で解説します。
腹圧性尿失禁の適応外処方の話
これには以下の2つの作用が見込まれているようです。
- 麻黄に含まれるエフェドリンが交感神経刺激作用により尿道括約筋の収縮を増強させ、膀胱の排尿筋を弛緩させる作用。
- 芍薬に含まれるペオニフロリンの抗コリン作用により、膀胱の排尿筋を弛緩させる作用。
初めてみたときは「こんな使い方あるんか、、、」と驚きました。
さすが漢方薬、奥が深い、、、
風邪のひきはじめとは?
葛根湯は風邪の初期で「自然発汗を伴わない 」場合に使われる漢方薬です。
風邪の初期とは「ゾクゾクと背筋が寒くなり、少し首が凝る」と言った具合だそう。
ここが重要で、喉が痛いとか咳が出ると言った症状が出てからでは使えないということです。
「なんかおかしいな?」の段階で飲むのが良いようです。
葛根湯の中身をもっと詳しく
葛根湯は「解表剤(辛温解表)」に分類されます。
ある程度抵抗力がある「表実証」に使われます。
基本的には「体を温めて、発汗し、熱を出す」という原理なので暖かくして過ごすのが良いでしょう。
そもそも風邪をひいたら、消化の良さそうな温かい物を食べて、暖かくしてよく寝ることが大切なので、ある意味理にかなっています。
各生薬による作用は以下の通りです。
- カッコン:発汗し、熱を冷ます。
- マオウ:発汗作用により熱を放散
- ケイシ:マオウの発汗解表を助ける。鎮痛作用もある。
- シャクヤク:ケイシとの組み合わせ効果もあり。筋肉の痙攣や緊張も緩和し、鎮痛、鎮静作用もある。
- ショウキョウ:軽度の発汗作用によりケイシ、カッコン、マオウの作用を助ける。
- カンゾウ:シャクヤクとの組み合わせで筋肉の痙攣を緩和する力が強まる。
葛根湯の一般用医薬品もある
葛根湯にも一般用医薬品があります。
なので、急に体調悪くなったり、病院に行っている時間がない、寝て明日には治したいって方はドラッグストア等でも簡単に購入できます。
あとは、もしものために家に常備しておくのも良いでしょう。
基本的に一般用医薬品の漢方は医療用医薬品の漢方より入っている生薬の量が少ない場合が多いです。
なので、効き目も幾分マイルドになると言われています。
個人的に好きなのは液体ドリンクタイプの葛根湯です😆
まとめ
どうでしたか?
葛根湯は風邪のひき始め、症状が出る前に飲むのが基本です。
また、シャクヤク、カンゾウが含まれることで筋肉の強張りを軽減するのも芍薬甘草湯を思い浮かべると分かりやすいですね。
今日は葛根湯についてまとめてみました。
これから漢方薬ごとに学んだ内容をまとめていこうと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました😆
ではでは、今日はこの辺で👋
参考文献
ツムラHP