ちゃそが記事執筆しているまんまる薬局オウンドメディア【まんまるの輪】はこちらから

【お薬知識】                       α-GI(α-グルコシダーゼ阻害薬)の作用機序と違いを見る‼︎

○この記事は7分24秒で読めます

こんばんは、ちゃそ(@yakuchaso66)です。
今日は糖尿病治療薬のαーGI(グルコシダーゼ阻害薬)について見ていきます。

【糖尿病】もちゃその好きな分野に含まれているので、「作用機序別に記事を書いていけば良いのでは?」となったため早速実行していくことにします。

もちろん新しい学びや情報を得たら、その都度書き加えて更新していこうと思います✍️

ということで、今回はα−GIについて書いていきます。

✅この記事を読むと分かること

・α−GIの作用機序

・アカルボース、ボグリボース、ミグリトールの違い

・予防で使えるα−GIについて

・α−GIの副作用の話

・α−GI服用患者の低血糖時の対処法

αーGI(αーグルコシダーゼ阻害薬)とは?

question mark illustration
Photo by Pixabay on Pexels.com

α−GI(α−グルコシダーゼ阻害薬)とは、消化管における多糖類の分解・吸収を遅らせることで食後の高血糖を抑えてくれるお薬です。

さらに詳しく説明すると以下の通りです。

・二糖類を単糖類へ分解する酵素(α−グルコシダーゼ)を阻害する

・食物中の糖の吸収が緩やかになることで、食後血糖値の上昇が緩やかで、ピークが低いものになる(食後高血糖の改善)

腸からの糖の流入が一気に起こらないことで急な血糖の上昇を抑えてくれているんですね

では次に、3種類の用法・用量を見ていきましょう。

アカルボース(商品名:グルコバイ)

アカルボース(グルコバイ)の用法用量は以下の通りです。

用法・用量
1回100mg 1日3回食直前(増減)
1回50mgより開始して忍容性を確認した上100mgまで増量可能

アカルボースはα−GIの他に、α−アミラーゼも阻害します。

✏️グルコバイの名前の由来

α-グルコシダーゼ(α-Glucosidase)及び会社名(Bayer)に由来する。

ボグリボース(商品名:ベイスン)

ボグリボース(ベイスン)の用法用量は以下の通りです。

用法・用量
1)糖尿病の食後過血糖の改善
→1回0.2mg 1日3回毎食直前
効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら1回量0.3mgまで増量可

2)耐糖能異常における2型糖尿病の発症抑制
→1回0.2mg 1日3回毎食直前

✏️ベイスンの名前の由来

常に継続すべき糖尿病の基礎治療である食事療法の効果を高めることから、糖尿病の basic therapyの一環として有用性が期待できる薬剤である点を表現した。

ミグリトール(商品名:セイブル)

ミグリトール(セイブル)の用法用量は以下の通りです。

用法・用量
1回50mg 1日3回毎食直前
効果不十分な場合には、経過を十分観察しながら1回量75mgまで増量可

✏️セイブルの名前の由来

食後高血糖による膵の疲弊や血管障害を防止し、糖尿病患者の生命を救う(セイブする)こと
ができればという願いを込めて命名された。

α−GIの服用タイミングの話

α−GIの服用タイミングは「食直前」です。

食直前とは・・・食事の10分前以内に服用すること

なぜ食直前なのか?

それは、二糖類が小腸上部に到達するより先に、α−GIが阻害される必要があるためです。

それにしても、食事の10分前以内となると食事の準備に気を取られてなかなか忘れやすい😭

気付いたらご飯を食べ始まって5分くらい経って「あ、忘れてた、、、」と気づく方も多いようです。

そこで、ちゃそ自身が患者さんにお伝えする時は

いただきますと同時に飲んでいただければOKです

とお話ししています。

これなら意外と忘れにくいかも??

α−グルコシダーゼ阻害薬のうち、糖尿病の発症抑制に適応を持つのはどれか?

ボグリボース(ベイスン)は、「耐糖能異常による2型糖尿病の発症抑制」に使えます。

ただし、0.2mg錠と0.2mgOD錠のみがこの適応を持っています。

しかし、ただ予防として誰にでも使えるというわけではなく、詳細を見ていくと色々と決まりがあります。

IFには以下のような記載があります。

耐糖能異常における 2 型糖尿病の発症抑制の場合(錠 0.2、OD 錠 0.2 のみ)
本剤の適用は、耐糖能異常(空腹時血糖が 126 mg/dL 未満かつ 75g経口ブドウ糖負荷試験の血糖 2 時間値が 140〜 199mg/dL)と判断され、糖尿病発症抑制の基本である食事療法・運動療法を 3〜 6ヵ月間行っても改善されず、かつ高血圧症、脂質異常症(高トリグリセリド血症、低 HDLコレステロール血症等)、肥満(Body Mass Index:BMI 25 kg/m2以上)、2親等以内の糖尿病家族歴のいずれかを有する場合に限定すること。

ざっくりなイメージ、放っておいたらそのうち糖尿病になりそうな人には予防として投与して良いよって感じですね。

副作用の話

α−GIでよく効く副作用について見ていきましょう。

低血糖

α−GIを服用している患者さんでも、低血糖の副作用には注意が必要です。

α−GI単独投与では、比較的起こりうる可能性は低いとされていますが、0ではありません。

また、他の糖尿病薬(SU薬やインスリン製剤)を併用している場合は尚更注意が必要です。

ちゃそ自身はα−GI服用患者さんで低血糖の副作用が頻繁に起こる方にはお会いしたことがありませんが、上記のような薬剤と併用されている方には、定期的に低血糖症状が出ていないか念のため伺っています。

消化器症状

αーGIによる消化器症状の中で頻度の高いものは下痢・下腹部膨満感・放屁(おなら増加があります。

メカニズムについてはセイブルのIFに以下のような記載がありました。

本剤の主な副作用である「鼓腸・腹部膨満」及び「放屁増加」等の症状は本剤の薬理作用である腸管内における糖質の消化・吸収遅延により、未消化の糖質が大腸に達し腸内細菌によって分解発酵された際に生じたガスに起因すると考えられる。
これらは一般に時間の経過とともに消失することが多いが、症状に応じて減量あるいは消化管内ガス駆除剤の併用を考慮し、高度で耐えられない場合は投与を中止すること。

これらの症状は通常服用開始1−2週間までに多く、α−GIを少量から開始すること・継続服用しているうちに時間の経過とともに軽減されていくことが多いです。

しかし、腸内ガスの増加は「腸閉塞」の原因になりうるので注意が必要です。

腹部膨満感を軽減させるポイントは以下のようなものがあります。

  1. 早食い過食に注意
  2. 服用初期はイモ類、豆類、乳製品の摂取過剰に注意
  3. ビールや炭酸飲料で服用しない

3種類の中で消化器症状が1番少ないのはミグリトール(セイブル)と言われています。

低血糖の時のポイント

α−GIを服用中の方には低血糖の副作用が出た場合に注意するべき点があります。

最初に述べたように、α−GIを服用することにより、ショ糖(スクロース)のような二糖類→単糖への分解を抑制します。

そのため、基本的には砂糖(ショ糖)を摂取しても吸収が遅れてしまうので、低血糖時に速やかに血糖値を上げるためには不向きです。

では何を摂取すれば良いの?

低血糖時に速やかに血糖値を回復させるには、「ブドウ糖」の摂取がおすすめです。

しかし、ブドウ糖がない場合は砂糖でも構いませんので多めに摂取すると良いでしょう。

薬局で糖尿病薬を飲んでいる方にブドウ糖もお渡しすることが多いのはこういう理由なんですね

DPP−4阻害薬との相乗効果

unrecognizable multiracial guys showing thumbs up gesture
Photo by William Fortunato on Pexels.com

α−GIは、食後の血糖上昇を穏やかにするだけではなく、下部小腸で分泌されるインクレチン・GLP−1の分泌を増加させます。

そのため、α−GIとDPP−4阻害薬の併用はより効果的に血糖を低下させることができるそうです。

インスリン分泌能のうち、特に追加分泌が低下した食後高血糖を示す軽症2型糖尿病に対してこの組み合わせは効果的と考えられている(日本人にはこのパターンの2型糖尿病が多い)

DPP−4阻害薬の記事も順を追って書きますのでそちらもお楽しみに👍

まとめ

ということで、今回はα−GI(α−グルコシダーゼ阻害薬)について見ていきました。

ここで、3種類のα−GIについての比較表を載せておきます😆

一般名アカルボースボグリボースミグリトール
商品名グルコバイベイスンセイブル
規格50mg・100mg0.2mg・0.3mg25mg・50mg・75mg
用量1回50mgより開始
100mgまで増量可
1回0.2mg
1回0.3mgまで増量可
1回50mg
1回75mgまで増量可
2型糖尿病の発症抑制に適応なしあり
0.2mg錠・0.2mgOD錠のみ
なし
販売社バイエル武田テバ三和化学

いかがでしたか?

α−GI(αーグルコシダーゼ)についての理解がさらに深まるようお手伝いができていたら幸いです😆

ではでは今日はこの辺で。

最後まで読んでくださりありがとうございます😆

参考文献

・各製剤添付文書・IF

・治療薬マニュアル2020

治療薬マニュアル 2021

・薬がみえる Vol.2 

薬がみえる vol.2

・糖尿病治療ガイド2020−2021

糖尿病治療ガイド2020-2021

気に入ったらシェアしてね❣️

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

ABOUT US

ちゃそchaso
\私の勉強、誰かの学びに/|第105回薬剤師国家試験合格→東北の薬局薬剤師→フリーランス薬剤師|Twitter2600フォロワー・Instagram1800フォロワー突破|▶︎アロマテラピーアドバイザー|▶︎サプリメントアドバイザー|▶︎女性の健康アドバイザー|▶︎研修認定薬剤師|【好きな分野】予防医学&糖尿病&漢方薬・中医学→国際中医師の資格取得予定|薬局さんのHP運営・インスタ運営・書籍のコラム執筆等のお仕事もしています。詳しいプロフィールは地球儀マークを押してみてね↓