今回は最近はじめましてで触った
「エベレンゾ」について見ていきたいと思います。
最近腎性貧血の治療薬は注目されていますね。
まだちゃそはエベレンゾしか実物は見たことがありませんが、、、
この記事を読んでわかること
- エベレンゾとはなんたるや
- エベレンゾの作用機序
- エベレンゾの副作用や併用のこと
- エベレンゾの服薬コンプライアンスを向上するための企業努力
ではでは見ていきましょう!!
この記事のもくじ
エベレンゾ錠とは、、、
規格は20、50、100mgとなっています。
エベレンゾ錠の一般名、適応、用法用量は以下の通りです。
・エベレンゾ(一般名:ロキサデュスタット)
・適応:腎性貧血
・用法用量:赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合」→成人には1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与する。投与量は適宜増減、最高用量は3.0mg/kgを超えないこと。
「赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合」→成人には1回70mgまたは100mgを開始用量とし、週3回経口投与。患者の状態に合わせて適宜増減、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこと。
「週に3回」というのがエベレンゾの特徴的な部分の1つです。
なので患者さんに服薬指導する際は「月水金」で飲むのか「火木土」で飲むのか確認しておくと良いでしょう👍
「赤血球造血刺激因子ってなんぞや?」ってなる方もいるかもしれませんが、これは「エリスロポエチン製剤」のことです。
つまり、腎性貧血に対してエリスロポエチン製剤での治療をすでに行っているか否かで開始用量が変わってくるといったものです。
ちなみに妊婦には禁忌となっています。
治療の開始基準に関しては添付文書に記載があります。
赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合、本剤投与開始の目安は、腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者ではヘモグロビン濃度で 11 g/dL 未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で 10 g/dL 未満とする。
血液検査でHbの値を参考にエベレンゾを使って治療するか否かはDr.判断になります。
実際、エリスロポエチン製剤とHIFーPH阻害薬、どちらを使って治療することが多いのかは気になります。
「エリスロポエチン抵抗性貧血」なんてものもあるようなのでHIFーPH阻害薬の出番も多いのかな?
エベレンゾの作用機序
エベレンゾは日本初のHIFーPH阻害薬で2019年11月に発売開始されました。
エベレンゾは直接赤血球を刺激するエリスロポエチン製剤とは違い、本来生体が低酸素状態に陥った時の生理学的反応を誘導します。
生体内のエリスロポエチンを増やすHIFの分解酵素である、HIFーPHを阻害します。
これにより、エリスロポエチンの転写を促進することで生体内のエリスロポエチンを増やし、赤血球を増加させます。
この仕組みの話で2019年にノーベル賞を取った方がいるそうです。すごい、、、
実は適応が変わっている??
実はエベレンゾ錠は適応が2020年12月から変わっています。
それ以前は「透析期の腎性貧血」に適応がありましたが、
保存期から透析期まで幅広く腎性貧血に効果が認められたことから
「腎性貧血」に適応が変わっています。
アステラスのHPにも以下の資料が載っていますので参考までにPDFのリンクを貼っておきます。
https://amn.astellas.jp/jp/di/info/news_201201094113221.pdf
注意が必要な副作用は?
ズバリ、
「血栓塞栓症」
に注意が必要です。
なので服薬指導の際には患者さんに「手足の痺れ」や「話しにくい」等、何か違和感を覚えたら教えてくださいねと軽くでもお伝えしておくと良いでしょう。
さらに
「高血圧」の副作用も起こるそうなのでこちらも患者さんに伝えておきましょう。
併用注意な薬剤は?
「リン結合性ポリマー」「多価陽イオン製剤」はエベレンゾの作用が減弱しますので、前後1時間以上あけて服用する必要があります。
また、スタチン系との服用で横紋筋融解症のリスクが上がるようなのでこちらも注意が必要です。
飲み忘れたらさあどうする?
飲み忘れてしまったときには2つの対処法があります。
①次の服用までに24時間以上間隔がある場合
→思い出した時点で服用し、次回からは予定通り服用します。
②次の服用まで24時間以内の場合
→思い出しても服用はせず、次回の服用から再開します。
飲み忘れて次の服用まで24時間以上間隔があるか否かがポイントですね!
服薬コンプライアンスを上げるための企業努力が素晴らしすぎる件
アステラスの商品なのですが、服薬コンプライアンスを上げるための企業努力がとにかく素晴らしすぎると私の中で話題なので紹介しますw
服薬カレンダー、服薬シール
https://amn.astellas.jp/jp/di/list/material/evz_calendar.pdf
アステラスのサイトに載っている服薬カレンダーのPDFリンクを置いておきます。
ちゃそは服薬カレンダーの実物を見ましたが
めちゃくちゃ服薬カレンダー凝ってる‼︎っていう感想でした。
服薬お知らせタイマー
キッチンタイマーのようなもので服薬のタイミングになると音が鳴ります。
次に紹介するLINEアプリも便利なのですが、お年寄りからするとなかなかデジタルすぎるのも良し悪しですので、こういう扱いやすいタイマーといった方法も便利だなあと感じます。
LINEアプリ
まさに現代人の象徴でもあるLINE。
これとの連携は強すぎる‼︎
https://amn.astellas.jp/jp/di/list/material/evz_line-app.pdf
QRコードを読んで、友達追加すると使えます。
現代人はスマホを見ている時間は多いと思うので、ラインからの通知でアドヒアランス向上がはかれるのは大きいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
週3回製剤のエベレンゾ錠についての記事でした。
エベレンゾ錠の仲間としては2020年に発売されたバフセオ(バダデュスタット)、ダーブロック(ダプロデュスタット)、エナロイ(エナロデュスタット)などがあります。
しかしこれら3つは1日1回製剤です。
週3回製剤と1日1回製剤、どちらの方が飲み忘れを防げるんでしょうね?
骨粗鬆症のビスホスホネート製剤の時もそうですが週1だから月1だから必ずしも良いってわけではなくて、意外と1日1回の方が忘れないって方もいるんですよね。
こればっかりはその人の性格によりけりなのかな?と思いますね😆
アステラスのエベレンゾのページのリンクも貼ってきますので、気になる方はこちらも見てみるとさらに理解が深まるかとおもいます。
https://amn.astellas.jp/jp/di/list/evz/index_evz-20.html
今回はこの辺で。
最後まで読んでくださりありがとうございます!