お薬知識

【処方解析】イフェクサーからサインバルタに処方変更の理由は?

2021年1月26日

今回はイフェクサーを処方されていた患者さんがサインバルタに処方変更になった話です。

イフェクサーとサインバルタは共にSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)です。

イフェクサーを服用開始して数ヶ月経った患者さんがサインバルタに処方変更されていました。

どっちもSNRIなのに使い分ける理由は何?となってしまいました。

また、途中、消化器科を受診した形跡もあって、おやおや?と思いました。

今回はどうやらこの消化器科受診がヒントのようです、、、

サインバルタ(デュロキセチン)について

サインバルタ(デュロキセチン)の適応・用法用量は以下の通りです。

・適応:1)うつ病、うつ状態
2)以下の疾患に伴う疼痛→糖尿病性神経障害、線維筋痛症、変形性関節症
・用法用量:うつ病、うつ状態及び糖尿病性神経障害に伴う疼痛→1日1回朝食後40mg経口、1日20mgより開始、1週間以上の間隔をあけて、1日用量20mgずつ増量(効果不十分な場合、1日60mgまで増量可)
線維筋痛症、慢性腰痛症、変形性膝関節症に伴う疼痛→1日1回朝食後60mgを経口、1日20mgより開始、1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgずつ増量

サインバルタは腸溶性コーティングを施しており、脱カプ後の粉砕は不適です。

これはデュロキセチンが酸に不安定であることから、胃酸で失活する恐れがあるためです。

また、疼痛に用いられるのもサインバルタの大きな特徴の1つですね。

むしろ私のいる薬局では圧倒的に整形外科からの疼痛緩和目的での処方が多いです、、、

祖母の通っている整形外科にいった時は、先生が「痛み抑えてくれる薬出しておきますけど、もしかしたら薬局でうつ病の薬なんて言われるかもしれませんが痛み止めとしても使える薬だから心配しないでくださいね〜」なんて言っているのも聞こえてきましたwww

また、サインバルタが朝食後服用指示のある理由は以下の通りです。

海外臨床試験において、夜就寝前投与で主要吸収部位である小腸への到達が遅くなり、Tmax遅延、Cmax低下が認められたため、国内臨床試験は全て朝投与で行われている(審査報告書2010年1月20日)。

イフェクサー(ベンラファキシン)について

イフェクサーの適応・用法用量は以下の通りです。

・適応:うつ病、うつ状態
・用法用量:1日37.5mgを初期用量とし、1週間後に1日75mgを1日1回食後に経口投与(最高投与量の1日225mgを超えない範囲で適宜増減)
増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行う

イフェクサーはうつ病・うつ状態にのみ適応を持ちます。

イフェクサーは商品名にSRカプセルとつくくらいですので、もちろん徐放性製剤です。

なので、こちらも脱カプ後の粉砕は不適切となっています。

イフェクサーからサインバルタに処方変更??

イフェクサーを処方されて1、2ヶ月が経過していた患者さん。

ある日サインバルタに処方変更になっていました。

「おん???どっちもSNRIじゃないの?処方変更する利点とか理由って何?」

ってなっていました。

冒頭でもお話しした通りで、お薬手帳を見ると消化器科を受診した形跡が、、、

「セロトニン系の副作用かな?下痢とか吐き気でも出たのか?」

なんて予測は立てていたのですが。

患者さんに確認したところやはり消化器系の副作用が原因で処方変更になったそう。

ってことはサインバルタの方がセロトニン系の作用が弱いのか??

ということで文献やらサイトやらを調べ漁りました。

さあ、調べるよ。

clear light bulb placed on chalkboard
Photo by Pixabay on Pexels.com

ここからは参考文献がたくさんあるのですが、その中でもこちらの「ファイザー」のサイトでイフェクサーの項目からサインバルタとの比較の項目を調べていただくと文献が出てきます。

なぜか文献そのもののリンクを貼ると飛んだ時にエラーが出てしまうので、トップページの貼り付けになってしまいました😭

https://pfizerpro.jp/cs/sv/pfizerpro/n/Page/1254401314997?aid=top_header_logo

 

Twitterから得た情報

お次はTwitterでサインバルタとイフェクサーのツイートをしたときにフォロワーさんから教えていただいた情報をまとめていきます。

イフェクサー、低用量だとまるでSSRI?

実はイフェクサーは低用量で用いるとノルアドレナリンの作用はほとんどなく、セロトニンの作用が強く出ることがわかっています。

上記でサイトリンクを貼ったファイザーの文献によると、セロトニン、及びノルアドレナリンの結合親和性の比較をまとめると結果は一目瞭然。

薬品名セロトニントランスポーターノルアドレナリントランスポーター効果比率
デュロキセチン0.87.59:1
ベンラファキシン82248030:1
トランスポーター結合親和性の比較(PfizerPRO,イフェクサーSRとデュロキセチンとの比較より)

比でみると分かりやすいのですが、サインバルタ(デュロキセチン)に比べてイフェクサー(ベンラファキシン)の方がセロトニンに対する効果が強く出るのはこの表を見て分かって頂けたかと思います。

また、イフェクサーはノルアドレナリンに対する効果は低用量だとほとんど出ないとお話しした通り、75mg用量以上で中枢(脳)へのノルアドレナリン再取り込みが阻害されるというエビデンスが得られているそう。

低用量だとイフェクサーは完全にSSRIに近い効果を示すようです。

私の参考文献をより噛み砕いてわかりやすく説明しているクリニックのブログをヤクヤクさんが紹介してくださってますので、気になる方はそちらもぜひ読んでみてください😆

「イフェクサーはSNRIの皮をかぶったSSRI」

この言葉は名言ですねwww

イフェクサーの副作用のあれこれ

私が経験したのは消化器症状の副作用の症例でしたが、他にもいろいろ副作用の例はあるようです。

こちらはベーやんさんの症例ですが「性機能障害」が見られるパターンもあるようです。

他にも悪心、眠気、めまい、口内乾燥、頭痛等の副作用はよくみられるそうです。

まとめ

今回はイフェクサーとサインバルタの比較をしてみました。

ざっくりまとめると

  • イフェクサーは低用量だとSSRIに近い効果を示す。
  • イフェクサーとサインバルタではセロトニンへの作用が強いのは圧倒的にイフェクサー。
  • イフェクサーからサインバルタへの処方変更でセロトニン系の副作用が減らせる可能性が大きい。
  • 副作用の出方は人それぞれ。

と言ったところです。

私自身、精神科系のお薬は苦手意識が強いです。

今のところは日常処方が来て触れた薬から徐々に学ぶようにはしていますが、学べば学ぶほど疑問が増える「沼」な状態ですw

今回触れたイフェクサーとサインバルタについても、これ以上触れていくと

この記事も沼化しそうなのでとりあえず今日はこの辺でやめておきますw

1つ1つ消化していくしかないですね😭

精神科系のお薬が苦手な方は結構見受けられるので、一緒に少しずつ打開していきましょう‼︎

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ではでは今日はこの辺で。

最後まで読んで下さりありがとうございました😆

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\私の勉強、誰かの学びに/|第105回薬剤師国家試験合格→東北の薬局薬剤師→フリーランス薬剤師|Twitter3200フォロワー・Instagram2100フォロワー突破|Instagramで1日1スライド勉強投稿中!|▶︎アロマテラピーアドバイザー|▶︎サプリメントアドバイザー|▶︎女性の健康アドバイザー|▶︎研修認定薬剤師|薬局さんのHP運営・インスタ運営・書籍のコラム執筆等のお仕事もしています。詳しいプロフィールはお家マークを押してみてね↓

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